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農林水産業

AIを活用した福島牛の品質向上の取組 【福島県】

事業の概要

  • 福島県では、「福島イノベーション・コースト構想」の下、「福島牛」のブランド力強化のため、帯広畜産大学等と連携し、成育途中の牛の肉質をAIで診断するシステムを開発した。
  • 飼育中の牛の超音波画像と、と畜後の枝肉を撮影した画像をAIに学習させ、ビックデータとして蓄積し、成育途中の牛の超音波画像データから将来の枝肉の横断面を推定する。これにより、飼育効率や畜舎回転率を向上させることができる。
  • 当該システムの活用により、飼育コストの削減や良質な牛を揃えることでブランド力を強化し、風評被害を克服し生産者を支援する狙いがある。

【参考情報】 人口:181.9万人(令和5年1月1日現在)   

関連URL:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/37202a/ushi.html
(県HP)

令和3年度事業費 212,129千円

もっと知りたい!担当者にインタビュー

取組の経緯・きっかけを教えてください。

原発事故による風評被害により県産和牛肉は、全国平均より1割安く取引されています。ブランド力の回復には、斉一性の高い良質な牛肉を定時定量で出荷する必要があるため、本取組を開始しました。

導入又は実証時において、国又は都道府県の支援制度 (人的支援や技術提供、補助金等)を活用しましたか?

成育途中の牛の肉質をAIで診断するシステムにつきましては、「福島イノベーション・コースト構想に基づく先端農林業ロボット研究開発事業」(農林水産省)を活用しました。

事業の近況を教えてください。

開発に協力をいただいた農家とともに、本システムの実証を実施しています。また地域の農林事務所、家畜保健衛生所及び関係機関が連携して推定精度を向上させるため、と畜前の超音波画像データを収集しています。

担当部署 福島県農林水産部畜産課

事業効果

その1

令和5年末までに4,000頭の牛に超音波肉質診断を実施できており、診断結果は、農家が出荷時期や出荷先を検討する参考資料となっている。

その2

積極的に利用する農家が多いほか、超早期出荷に向けた若い牛の診断や、疾病の早期発見のための活用等、運用の拡大についての要望も寄せられている。

コスト

イニシャルコスト

96,456千円 (税抜)

内訳

・調査機材導入費(超音波診断機、枝肉撮影装置等)20,457千円
・その他研究開発費(調査旅費、人件費等)75,999千円

備考

福島イノベーション・コースト構想に基づく先端農林業ロボット研究開発事業による補助額:95,178千円

ランニングコスト (1年あたり)

15,200千円(税抜)

内訳

・解析料(8千円/頭×1,900頭)15,200千円

※ 主にシステム導入等に係るコストを記載

スケジュール

検討開始から導入までの期間

1年

スケジュールの内訳

R2.4~9 共同研究機関との調整
R2.10~R3.3  システム完成、予算取得
R3.4~      事業開始

サービス提供事業者等

サービス提供事業者

株式会社MIJ labo

サービス名

AI-MEAT Desktop

運用形態

個別開発製品をクラウド環境で運用

その他参画主体全国農業協同組合連合会福島県本部、一般社団法人福島県配合飼料価格安定基金協会
帯広畜産大学

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