事業の概要
- 山梨市は、市の基幹産業である農業について、少子高齢化による労働力不足の解消や生産者の負担軽減等を目的として、NTT東日本等と協力し、市独自のプライベートネットワーク(LPWA)を整備し、農業のスマート化等に活用してきた。
- 具体的には、近年増加している桃やシャインマスカットなどの盗難被害の対策として、畑に異常があった際に、生産者やJAに通知される人感センサーを導入し、生産者向けに無償で貸与している。
※各センサーは太陽光などで給電が可能なため、電源工事が難しい場所にもセンサーの設置が可能。 - センサーの導入は、盗難の抑止力となり、生産者等からも安心できるという声がある。市は今後、より多くの生産者に利用してもらうために、生産者のデジタルへの抵抗感を緩和する取組を進めていくころである。
【参考情報①】 人口:3.4万人(令和5年1月1日現在)
関連URL:https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/LPWA.html
【参考情報②】地方版IoT推進ラボ(経済産業省・IPA)とは
URL:
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/local_iot-lab/index.html
(経済産業省HP)
https://local-iot-lab.ipa.go.jp/
(IPAHP)
令和3年度事業費 1,052千円
もっと知りたい!担当者にインタビュー
取組の経緯・きっかけを教えてください。
日本有数のブドウ・モモの産地である本市において、農家の高齢化による「農作業の重労化」は喫緊の課題でした。高付加価値果樹の盗難対策としてこれまで夜間に実施していた見回り等に係る労力をデジタル技術の活用により軽減し、収穫時期の繁忙期もゆっくり休んでもらいたいという願いから取組を進めました。
導入又は実証時において、国又は都道府県の支援制度 (人的支援や技術提供、補助金等)を活用しましたか?
これまで、総務省の「地域におけるIoT実装に関する特別交付税」の活用のほか、経済産業省・IPAの「地方版IoT推進ラボ」における山梨県ラボの農業部門として参画し、先進他自治体との情報交換等をさせていただく中で、本取組の参考とさせていただきました。
事業の近況を教えてください。
市独自のプライベートネットワークを構築したことにより、このネットワークを活用し、河川の水位センシング、土砂災害検知、また、独居高齢者の見守りに係る取組も行っています。ソーラー給電が可能なため、電源確保が困難な山間地でも、デジタル技術の活用による課題解決を図ることが可能となっています。
事業効果
その1
ハウス内に温湿度などを計測する環境センサーを設置している農家は、離れていてもハウス内の状況が分かるようになり、環境センサー導入後、ハウスに出向く回数が72%減少した。
その2
農業分野での実績を踏まえ、防災や高齢者の見守りの分野にも取組を拡大している。
その3
農業分野や福祉分野への取組を通じて、生産者や利用者から安心できるという声が上がっており、市民の安心・安全な暮らしに寄与している。
コスト
イニシャルコスト
5,000千円(税抜)
内訳
・受信拠点設置、関係機器設置 | 5,000千円 |
備考
LPWAを活用した高齢者見守り事業に、デジタル田園都市国家構想交付金(TYPE1)を活用
ランニングコスト (1年あたり)
1,600千円(税抜)
内訳
・保守費用 | 1,000千円 |
・サービス利用料 | 600千円 |
※主にシステム導入等に係るコストを記載
スケジュール
検討開始から導入までの期間
1年
スケジュールの内訳
H29.2~9 | 庁内調整 |
H29.12 | システム構築 |
H30.1~ | 事業開始 |
サービス提供事業者等
サービス提供事業者 | 東日本電信電話株式会社 |
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サービス名 | 自営無線ネットワークシステム LPWA(Low Power Wide Area) |
運用形態 | 個別開発製品をクラウド環境で運用 |
その他参画主体 | JAフルーツ山梨(農業分野における専門的知見)、シナプテック株式会社(バイオテクノロジーの活用) |