事業の概要
- 伊那市は、免許返納等で買い物が困難な住民をサポートするため、地元スーパーの商品をドローンで配達する「ゆうあいマーケット」を令和2年8月から展開している。サービスの利用料は月額1,000円のサブスクリプション制となっている。
- 利用者は、自宅のケーブルテレビのリモコンで商品を注文し、購入代金はケーブルテレビの利用料金に加算されて引き落とされるキャッシュレス対応となっている。
- 商品は、ドローンにより近くの公民館に届けられ、集落支援員等が利用者宅まで手渡すこととしており、利用者の安否確認や見 守りも行うことができるように工夫している。
【参考情報①】 人口:6.6万人(令和5年1月1日現在)
関連URL:https://www.inacity.jp/
【参考情報②】伊那市新産業の取組:
https://www.inacity.jp/shisei/inashiseisakusesaku/shinsangyougijutu/
令和6年度事業費予算 30,357千円
もっと知りたい!担当者にインタビュー
取組の経緯・きっかけを教えてください。
少子高齢化や人口減少に伴う「買い物弱者の増加」や「物流機能の低下」といった地域課題に対し、デジタル技術の導入による解決策を検討した結果、自律飛行ドローンを活用した官民連携の買い物支援という構想に行きつきました。
導入又は実証時において、国又は都道府県の支援制度(人的支援や技術提供、補助金等)を活用しましたか?
安全なドローン物流のための航路としての河川上空の開発や買い物支援サービスの事業化に当たっては、内閣府の地方創生推進交付金(平成30年度から3年間)を活用しました。また、ケーブルテレビ・プラットフォームは、総務省のデータ利活用型スマートシティ推進事業(令和元年度)を活用することにより、オンデマンドタクシーの呼出しや遠隔地見守りとしても利用いただいています。
これから事業を考えている自治体に向け、一言お願いします。
デジタル技術の導入やスマートシティの構築自体を目的とするのではなく、地域が抱える課題解決の手段として、民間事業者等と協力して進めることが必要です。課題の抽出や事業者との調整は、技術の導入よりも時間をかけて丁寧に行うことが重要ではないでしょうか。
事業効果
その1
買物に困窮している97世帯が登録しており、累計277回、1,122品をドローンで配送した(令和6年3月末時点)。
その2
免許返納等で交通手段がなくなっても安心して暮らし続けられると住民から評価されている。
その3
集落支援員が見守りを兼ねて荷物の手渡しを行うことで、コミュニティの活性化につながる。
コスト
イニシャルコスト
211,517千円(税抜)
内訳
| 66,060千円 |
| 145,457千円 |
備考
地方創生推進交付金による補助額:115,487千円
ランニングコスト (1年あたり)
30,357千円(税抜)
内訳
• 買物支援運営委託 | 9,946千円 |
• ドローン運航経費(2機) | 9,563千円 |
• ドローン管理経費(2機) | 10,848千円 |
備考
定住自立圏構想による特別交付税措置あり
※ 主にシステム導入等に係るコストを記載
スケジュール
検討開始から導入までの期間
2年1か月
スケジュールの内訳
H30.8~ | 関係省庁、地域ステークホルダとの調整 |
H31.1~ | ドローン航路調査(希少動物調査等) |
R1.8~ | 試験飛行、地域説明会 |
R2.1~ | 緊急時着陸ポート、飛行注意看板等設置 |
R2.8~ | ゆうあいマーケット ドローン配送(一部地 域)の事業開始 |
R3.11~ | ドローン配送エリアの拡大 |
サービス提供事業者等
サービス提供事業者 | KDDIスマートドローン(株)、ジャパンケーブルキャスト(株)、伊那ケーブルテレビジョン(株) |
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サービス名 | ①KDDIスマートドローンプラットフォーム②ゆうあいマーケットケーブルテレビ注文受発注システム③ICTライフサポートチャンネル |
運用形態 | ①パッケージ製品をクラウド環境で運用、②③個別開発製品をクラウド環境で運用 |
その他参画主体 | 合同会社信州伊那宙(ドローン運行)、株式会社ゼンリン(ドローン保守点検)、株式会社ニシザワ(出品者)、サンスイ(出品者)、いろは堂薬局(出品者)、菊香堂(出品者)、増田屋製菓(出品者)、感動いちば(出品者)、伊那市集落支援員 |