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消防・防災

自動音声電話とAIを活用して災害時の安否確認と情報伝達を効率化【岩手県陸前高田市】

事業の概要

  • 陸前高田市は、令和5年11月に、クラウド・AI技術と電話を組み合わせた自動音声一斉配信システムの運用を開始した。
  • 同システムにより、災害発生の恐れがあるときに、事前に登録した連絡先へ一斉に電話をかけたり、SMSを送付したりすることができ、黒電話にも対応しているため、 高齢者世帯やスマートフォンなどを持たない住民も含め、 必要な情報を即時に届けることができる。

【参考情報】 陸前高田市人口:1.8万人(令和5年1月1日現在) 

関連URL:https://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/material/files/ group/3/231025shiryo.pdf(市HP)

令和5年度事業費 2,940千円

もっと知りたい!担当者にインタビュー

取組の経緯・きっかけを教えてください。

本市では、避難行動要支援者や災害時孤立化想定地域居住者への災害時における避難情報の確実な情報伝達について、防災行政無線を補完する新たなシステムを検討していました。また、災害時における安否確認についても、災害対応で職員の人員が割かれる中で実施する必要があることから、業務の省力化が求められていました。こうした状況を踏まえ、本システムを導入しました。

工夫した点を教えてください。

携帯電話を所持しない、またはスマートフォンを自由に使いこなせない高齢者等にも使いやすいよう、音声のみの応答で完結できる設計にしました。

近況や今後の展望を教えてください。

令和5年11月に開催した当市の津波避難訓練において、安否確認通信訓練を実施しました。引き続き、本システムの周知を図るとともに、通信訓練やアンケートにより、効果の検証を行い、より使いやすいシステムとなるよう、改善を図っていきます。

担当部署 陸前高田市防災局防災課

事業効果

その1

本システム運用後に災害が発生していないことから、実運用には至っていないが、確実な避難情報の伝達が行われるとともに、安否確認において従事する職員の業務量の減少が見込まれている。

その2

本事業の導入により、庁内においてデジタル技術を積極活用することへの機運が高まっている。

その3

本システムの運用開始により、安全・安心な防災のまちづくりが進み、住民から高評価を得ている。

その4

マスコミ等にも広く取り上げられたこともあり全国の自治体等から本システムへの問合せや視察が増えている。

コスト

イニシャルコスト

1,810千円(税抜)

内訳

• システム構築委託料1,810千円

ランニングコスト (1年あたり)

1,793千円(税抜)

内訳

• システム保守管理960千円
• システム通信料833千円

備考

通信料は、対象者300人に対して、大雨による避難指示2回、津波警報発表による安否確認1回を実施することを想定して措置

※ 主にシステム導入等に係るコストを記載

スケジュール

検討開始から導入までの期間

3年

スケジュールの内訳

R2.11~R3.9事業構想
R3.10~R4.2システム設計
R4.3~R5.5システム実証実験および改善
R5.6~R5.10システム運用に係る周知、 住民説明、受付等
R5.11~運用開始

サービス提供事業者等

サービス提供事業者東日本電信電話株式会社岩手支店
サービス名シン・オートコールシステム
運用形態個別開発製品をクラウド環境で運用
その他参画主体-