総務省の支援事業

活用のポイント

DXをどう進めていけば良いか分からないといった地方公共団体の方々の声に応えて実施している支援事業です。聞き取りや深掘りの仕方を含めた課題の洗い出しから、方向性の検討、ソリューションの検討、業者の見積もりや費用対効果、首長への説明、国の補助金申請といったところまで、専門家（コンサルタント）による伴走サポートが無料で受けられます。伴走期間は３か月間ですが、終了後は自走に向けたアフターフォローも実施しており、申請すれば続けてサポートを受けることができます。

地域社会DXだけでなく、「書かない窓口」をはじめとする役所内の庁内DXも支援しています。必ずしもローカル５Gなどの無線通信を使う必要はありませんし、デジタル活用のソリューションに限定することもありません。計画ができたからといって、同じ事業の実証・補助事業に移行する必要もありません。作った計画通りに進めなければならないという「縛り」もありませんので、まずは気軽に相談してください。

2024年度からは、課題の洗い出しから支援を受ける「地域課題整理コース」のほか、具体的な実装に向けた支援を行う「ソリューション実装コース」の２コースが選べるようになり、より個々の状況に合った支援ができるようになりました。また、都道府県が主体となりDXを推進するため、県と市町村との連携をサポートする「推進体制構築支援」も新たに支援メニューとしています。

活用のポイント

「ローカル５G」「Wi-Fi HaLow」や、衛星インターネットなどの新しい通信技術と、先進的なソリューションを組み合わせた実証事業が補助の対象になります。たとえば、人手不足といった地域社会の課題に対して、新しい通信技術を使い、新しい技術・観点を導入した自動運転トラクターを試みるケースなどです。当然、新しい技術等を試すわけですから、現実世界で想定通りに動くかどうかは分かりません。失敗のリスクも踏まえ、全額補助となっており、地方公共団体だけでなく、地域社会DXに取り組む企業も、費用の負担なく実証できます。

採択のポイントは、

①地域課題が的確でソリューションと整合性がとれているか

②実装への道筋が示せているか

③ビジネスモデルが検討され横展開が期待できるか

の大きく３つ。

まず、地域課題は非常に重要でソリューションベースの提案ではなく地域課題を出発点にしているかは重点的に評価しており、利用者の声やアンケート調査といった具体的なデータを用いて課題を説明している団体は的確だと判断されやすいです。次の実装への道筋については、課題を抱えている団体から費用対効果含めて既に理解を得ていることが示されていたり、何らかの計画に則っているものと説明されているような企画書は評価が高い傾向があります。最後に横展開への期待については、ソリューションのビジネスモデル、販売体制や資金調達体制などの横展開体制、加えて他地域での課題解決ニーズが複数聞き取れていること等が示されていると蓋然性があると評価されやすいです。

１件あたりの事業規模は、1,000万～1億円程度となっており、2024年度からは実証事業全体で予算が16.5億円に倍増し、採択団体も15団体から25団体に増えました。次年度もいい形で事業を創る予定ですので、地域課題解決に向けた新しいアイデアがある場合は、ぜひ申請してみてください。

活用のポイント

地域での通信インフラ整備を伴うデジタル技術による地域課題解決が補助の対象になります。この補助事業でも力点を置いているのは、「地域の課題解決」です。必ずしも最新の通信技術である必要はなく、デジタル技術についても先進性は求められません。ただし、申請者は地方公共団体、もしくは地方公共団体を含むコンソーシアムであることが求められます。

デジタル技術による「地域の課題解決」が必要条件となるため、通信インフラの整備だけでは採択できませんが、一方で１件あたりの補助額の上限は決まっておらず、カメラやセンサー、タブレットといった、課題解決に必要なデジタル機器も補助の対象になるのが特長です。

2023年度までは、通信インフラの整備が事業全体の半額以上を占めていることといった条件があったのですが、2024年度からこれを撤廃し、AI（人工知能）やカメラといったソリューション機器や不可分なソフトウェア等の金額が大きくても補助対象にしました。加えて、条件を緩和する等、使いやすくなるよう改善をしています。

補助事業については、実装により近づけていきたいとの思いから、次年度には2024年度より大きな予算で出来ればと考えています。使い勝手がだいぶ良くなっていると思いますので、DXによる地域課題解決に向けた土台づくりとしてご活用ください。