総務省の支援事業
「地域情報化アドバイザー」派遣事業
「地域情報化アドバイザー」派遣事業
アドバイザー
アドバイザーとして派遣される専門家の交通費や宿泊費、謝金はすべて総務省が負担します。現地派遣を含む支援は1件につき最大3日までですが、オンライン会議だけで行う場合は計10時間まで支援を受けることができます。
4月から12月まで毎月募集をしていますが、募集が上限に達した場合はその後の受付を行わない場合もあります。200人を超える多彩な分野の専門家にアドバイザーを委嘱しており、依頼したい人を決めて申請することもできますし、取り組みに適した知見を持つアドバイザーを事務局に選んでもらうこともできます。同一プロジェクトで同一アドバイザーの場合、派遣申請できるのは同一年度内では1回限りですが、事業内容によっては複数のアドバイザーによるチーム派遣を申請することもできます。複数の取り組みがある場合は、それぞれ派遣申請が可能です。支援終了後は、1週間以内に実施報告書を提出するとともに、翌年度に取り組み状況についてアンケートに回答していただく必要があります。
総務省は、この派遣事業を2007年度から実施しています。派遣を希望する団体は年々増加し、2023年度は全国から申請があった363件の取り組みに派遣しました。
・対象
地方公共団体、地方公共団体から推薦を受けた団体(NPO団体、大学、商工会議所など)
・費用負担
アドバイザーの交通費・宿泊費、謝金は総務省が負担
地域情報化アドバイザーホームページ:https://www.r-ict-advisor.jp/
活用のポイント
「地域情報化アドバイザー」派遣事業を利用するにあたってのポイントやアドバイスをご紹介いたします。
総務省 情報流通行政局 地域通信振興課 課長補佐
日上 俊祐
ひかみ しゅんすけ
地域情報化アドバイザー派遣制度は2007年度に始まり、デジタルデバイド対策からICTを活用した広報、ネットワークインフラ、防災、医療など多彩な33分野を定め、222人(2024年9月現在)の専門家に委嘱しています。2024年度からは対象分野…
総務省 情報流通行政局 地域通信振興課 課長補佐
日上 俊祐
ひかみ しゅんすけ
活用のポイント
地域情報化アドバイザー派遣制度は2007年度に始まり、デジタルデバイド対策からICTを活用した広報、ネットワークインフラ、防災、医療など多彩な33分野を定め、222人(2024年9月現在)の専門家に委嘱しています。2024年度からは対象分野に生成AIを追加し、すでに一定の派遣申請をいただいています。
2023年度の地域情報化アドバイザーの派遣実績は363件で、派遣を受けた団体の満足度は「感激感銘を受けるレベルだった」89.5%、「大変満足できるレベル」9.6%、「満足できるレベル」0.9%と非常に高くなっています。
一方、全国の地方公共団体の6割は、周知不足のためか過去5年間で1度も派遣制度を使っていない状況です。地域社会や地方公共団体のDXを進める場合、情報システム部門だけでなく、地方公共団体全体で取り組む必要があり、担当職員の方からは、「どうすればいいかわからない」という声も聞きます。そうした場合には、この派遣制度の優良事例を毎年度、選定して公表していますので、参考になるケースがあるかもしれません。たとえば、2023年度に好事例として公表した兵庫県たつの市では、「ご近所デジタルマイスター養成講座」を開催し、講座修了者をマイスターとして認定し、市民によるデジタルデバイドの解消を進めています。島根県飯南町は、ブランドメッセージづくりによるシティプロモーションを住民も参加する形で行い、アドバイザーからICT活用などの助言を受けて全国広報コンクールに入賞するなどの成果につながりました。
ほかにも、窓口業務の改革が評価された事例もあります。先進的な取り組みを行っている地方公共団体職員の方にアドバイザーを委嘱しているケースもあります。専門家のアドバイスを無料で受けられる、とても使いやすい制度になっていますので、ぜひ活用を検討してみてください。好事例の横展開や地域社会のDX推進につながることを期待しています。