Vol.3『地域社会DXは、こう推進せよ!』
「地域社会DX」を1分で解説!
地域の課題をDXの力で上手に解決するのが「地域社会DX」。
つまずきやすいポイントを紹介した前回に続いて、今回は、地域社会DXのプロジェクトを進めるにあたっての具体的な手順やポイントをご紹介します。
1つ目は「地域の課題とその解決に資するデジタル技術の有効性を確認しよう!」
まずは、その地域で課題となっていることについて、実際のユーザーとなる住民の声を収集することから始めましょう。誰がどのように困っているか、庁内でその分野を担当するキーパーソンは誰か、そして、デジタル技術はどの程度活用されているかを把握できるように努めましょう。また、課題の解決にデジタル技術の活用が有効であるかをしっかり確認してから進めることが大切です。
2つ目は「強固な推進体制を整えよう!」
次に庁内においては、「タテ(全体責任者→部署の責任者→実務担当)・ヨコ(DX推進担当→事業部門担当)の連携」や「DX推進に必要なスキルを取得するための仕組みづくり」ができているかを確認しましょう。庁外においては、地域住民、地域内外の企業や大学などとのネットワークづくりを積極的に進め、気軽に相談できる環境や協力を得られる体制を作れるようにしましょう。
3つ目は「課題解決のための適切な計画を立てよう!」
最も大切なポイントは2つ。「自分たちにとっての“成功”が何か具体的に決めておくこと」と「“成功”に辿り着くために適切なデジタル技術を選ぶこと」です。DXを進めていく気運を高めるために、まずは効果がわかりやすいところから始めつつ、わかりやすい目的や目標(利用者数や利用件数など)を設定しましょう。技術を選ぶときには、プロジェクト費用を算出し、技術の導入効果に見合った費用であるかを確認することも重要です。
4つ目は「横展開可能な進め方を意識しよう!
「課題の洗い出し」「デジタル技術の選定」「推進体制の整備」「計画の策定」が終わったら、いよいよプロジェクトのスタートです。プロジェクトの進め方で大切なポイントは、「小さくともリアルな成果と改善を重ねること」と「ユーザーの反応を確認して納得・共感を得ながら進めること」です。また、得られた知見をさらに広げていくために、庁内への共有や地域内外への情報発信を行い、課題解決の成果を他の分野・地域でも活用するために、技術の向上や費用の改善も図ることが理想的であるといえるでしょう。