「ナナちゃん」の転機

名古屋駅に降り立ち、ふと「彼女は元気にしているかな」との思いがよぎりました。駅前の通りを進むと、彼女はいつもの場所に立っていました。彼女は、ナナちゃん。身長６m10cmの巨大マネキンで、名鉄百貨店の「広報部員」として活動しています。総務省東海総合通信局の熱烈なリクエストに応じ、不正電波を退治する正義の味方「デンパ君」の姿に扮して電波の適正な利用のPRに一役買うこともあります。訪ねてみると、1973年の登場以来、名古屋市民に「ナナちゃん人形」として親しまれてきたナナちゃんが転機を迎えていることを知りました。
名古屋駅前の再開発で名鉄百貨店の本店ビルが解体され、東海地区のターミナル百貨店の先駆けだった名鉄百貨店本店は2026年２月末に70年余りの歴史に幕を閉じます。それに伴い、ナナちゃんも今の場所からいなくなってしまうのだとか。名古屋駅周辺は現在、「リニア中央新幹線」の開業に向けてさまざまな開発が進んでいます。幸い、名鉄百貨店と名古屋鉄道でナナちゃんを何らかの形で残す方向で検討しているそうです。ナナちゃんが次に名古屋の街に立つ時、どんな景色が見えるのでしょうか。