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孤独・孤立対策

高齢者への“ゆるやかな見守り”を支援【兵庫県たつの市】

事業の概要

  • たつの市は、新型コロナウイルスにより、集いの場や趣味の講 座等が休止となり、地域社会との繋がりが急激に減少した高 齢者の「新しい孤立」を解消するため、ICT機器を使った高齢 者の見守りに関する実証実験を令和3年度と令和4年度に 実施した。
  • 高齢者の自宅にあるTVに専用機器を設置し(Wi-Fi等の 通信環境の整備は不要)、そのTVで、離れて暮らす家族が 配信した写真や動画、行政等が配信した外出促進や体操等 の動画を高齢者が視聴することで、孤立感解消やフレイル予 防、外出意欲向上等に関する行動変容が起きるか検証を行う。
  • 離れた家族には、高齢者の動画視聴時や室温上昇時、就 寝・起床時にスマートフォン等のアプリを通じて情報が届くほか、 温度・湿度・照度の情報がアプリで確認できるなど、離れて暮 らす家族がお互いに抵抗感を感じず、安否確認を行うことがで きる。

【参考情報】 人口:7.4万人(令和5年1月1日現在) 

関連URL:https://www.chikaku.co.jp/press/20230301

令和3年度事業費 352千円 (うち、ひょうご地域創生交付金事業補助金(兵庫県) 150千円)

もっと知りたい!担当者にインタビュー

取組の経緯・きっかけを教えてください。

新型コロナウイルスの影響で、これまで地域と繋がりのあった高齢者の「新しい孤立」が生まれました。ICTを使えば、離れて暮らす家族による見守りが出来るとともに、動画配信を行うことで、一堂に会さなくても、フレイル予防に取り組めるのではないかと考え、実証実験を開始しました。

導入又は実証時において、国又は都道府県の支援制度(人的支援や技術提供、補助金等)を活用しましたか?

ICT機器を活用し、高齢者と離れて暮らす家族や行政・民間企業が協働しながら、高齢者の見守りやフレイル予防等の検証を進めるに当たり、少子高齢化の進展や本格的な人口減少に対して、創意工夫で課題解決を行う事業を兵庫県が支援する『ひょうご地域創生交付金』を活用しました。

これから事業を考えている自治体に向け、一言お願いします。

高齢者が負担を感じることの少ないエイジテック【※1】を活用することで、普段通りの生活を送りながら、元気な高齢者の介護予防にも繋げることができ、家族間の自助の強化を図ることができると感じています。
また、行政が、直接、対象となる高齢者に情報を発信できるため、必要とする方に、最適な情報を迅速に発信できることにも適していると感じています。
【※1】加齢に伴う高齢者特有の課題を解決することに最適化したテクノロジーのこと

担当部署 たつの市福祉部高年福祉課

事業効果

その1

実証実験で有益な結果が得られたことにより庁内の理解が得られ、ICTを活用した高齢者の見守り機器購入費用の助成制度の創設へとつながった。

その2

行政から高齢者に直接情報を発信できるため、必要な方に最適な情報を迅速に発信できるツールとして利用できた。

その3

家族間のコミュニケーションの増加、活動意欲・外出意欲の向上等、前向きな行動変容が多く見られた。

コスト

イニシャルコスト

352千円(税抜)

内訳

•事務協議等に係る旅費52千円
• 実証実験用機器借上料300千円

備考

ひょうご地域創生交付金(兵庫県補助)による補助 額:150千円

ランニングコスト (1年あたり)

352千円

内訳

• 事務協議等に係る旅費52千円
• 実証実験用機器借上料300千円

備考

実証実験事業については、R3、R4の2年間で終了

※ 主にシステム導入等に係るコストを記載

スケジュール

検討開始から導入までの期間

10か月

スケジュールの内訳

R2.10~R3.8事前検討(会議等)
R3.4~7モニター募集、発信動画作成、 事前ヒアリング
R3.8~実証実験開始

サービス提供事業者等

サービス提供事業者セコム株式会社、株式会社チカク
サービス名見守りアンテナ(アプリ)、まごチャンネル(アプリ)
運用形態個別開発製品をクラウド環境で運用
その他参画主体-