農高ドローン操縦士養成 岩見沢 農薬散布用来年度から

引用元:読売新聞オンライン

農薬散布用ドローンのデモ飛行を見学する岩見沢農業高の生徒らの写真

 岩見沢農業高校は2025年度から農業用ドローン操縦士の養成を始める。デジタル人材の育成を目指す文部科学省の高校DX加速化推進事業(DXハイスクール)に採択され、今月、機体1機を導入した。インストラクターの資格を持つ教諭の指導により生徒の操縦ライセンスの取得が可能となる。同校によると、道内の高校では初めての取り組みという。

 人口減少に伴い農業の労働力が不足する中、同校では農業生産現場でデジタル人材の育成を積極的に進める。岩見沢市、北海道大、酪農学園大、NTT東日本などと連携し、新しい教育プログラムへの指導・助言を受ける。

 その第1弾が農業用ドローン操縦士の養成となる。農業科学科の高橋英明教諭(43)が9月に農業用ドローンの操縦ライセンスを取得。さらに年内にはインストラクターの資格も取得し、25年度から生徒に操縦訓練を行い、操縦ライセンスの取得につなげる。同科の水稲、畑作班の2、3年生が対象で、希望者に訓練を行う。

 同校が今月10日に導入した機体はNTTグループが開発した農薬散布用ドローン「AC101 connect」。本体重量は約6キロと軽量で、アーム部分を広げたまま軽トラックに積載できるコンパクトな設計が特長。1日で散布可能な最大面積は15~25ヘクタールという。

 この日、販売代理店「住商アグリビジネス」北海道スマート農業センター(栗山町)の担当者が操縦し、農業科学科の2年生6人を前にデモ飛行を行った。生徒はいずれも操縦ライセンスの取得を希望しており、2年の男子生徒は「実家では他の農家と共同で農薬散布用ドローンを活用している。若い世代ではまだライセンス取得者がいないので挑戦したい」と話す。

 高橋教諭は「農業用ドローンの操縦士が不足しており、農薬散布は順番待ちの状態となっている。地域農業の担い手を養成し、貢献していきたい」と意気込んでいる。

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